
最近、ニュースや新聞で「在留手続きの手数料(印紙代)が大幅に上がるかもしれない」という報道を目にされた方も多いのではないでしょうか。
この背景には、単なる「値上げ」ではなく、日本の受け入れ体制を根本から見直そうとする大きな目的があります。主なポイントは以下の3点です。
- 行政コストの適正化(受益者負担) 現在の更新手数料(6,000円)などは、1978年から約50年もの間、ほぼ変わっていません。しかし、近年の物価高騰や審査の複雑化により、行政側のコストは増大しています。これを税金だけで賄うのではなく、制度を利用する側が適正に負担するという考え方(受益者負担)への転換が進んでいます。
- 国際水準への調整 欧米諸国では、ビザ申請に数万〜数十万円かかるケースも珍しくありません。日本の手数料は世界的に見て極端に低い水準にあるため、主要国並みの基準に合わせることで、より迅速で質の高い審査体制の維持を目指しています。
- 「共生社会」を支える財源の確保 今回の改定で得られる増収分は、外国人の生活支援や多言語対応の充実、不法滞在対策といった「外国人との共生」に必要な施策の財源として活用される方針です。
現在は、これらの手数料の上限を定める法案が国会で審議されており、施行は2027年3月までに行われる見込みです。具体的な金額は今後の政令で決まりますが、今後の動向を注視していく必要があります。
現在の検討段階(2026年5月時点)
現在は、制度を大きく動かすための「法律の改正」が国会で進んでいる段階です。
現在のステータス
- 2026年3月10日: 入管法改正案が閣議決定
- 2026年4月28日: 衆議院本会議にて可決・通過
- 現在(2026年5月): 参議院で審議中
今回は、現時点で報道されている「手数料値上げ案」の内容と、私たちがどう備えるべきかについてお話しします。
1. 報道されている「値上げ案」の目安
現在、政府が検討しているとされる改定案では、在留期間が長くなるほど手数料が高くなる「段階制」の導入が検討されています。
| 手続きの種類 | 現行(2025.4〜) | 報道されている目安額 |
| 在留期間更新・変更(1年) | 6,000円 | 約3万円 |
| 在留期間更新・変更(3年) | 6,000円 | 約6万円 |
| 在留期間更新・変更(5年) | 6,000円 | 約7万円 |
| 永住許可申請 | 10,000円 | 約20万円 |
※これらはあくまで検討段階の「目安」であり、正式に決定したものではありません。
2. なぜこんなに値上げされるの?
報道によると、これまでの手数料は「実費(事務コスト)」を元に計算されてきましたが、今後は「審査の高度化に伴う費用」や「諸外国の料金水準」を考慮した金額に見直される方向のようです。
例えば、アメリカやイギリスなどの永住権申請には数十万円かかるケースもあり、日本もそれに近い水準へとシフトしようとしている動きが見て取れます。
3. 私たちが今、できることは?
この改正案が成立した場合、施行は「2027年度中(2027年4月〜2028年3月)」になると見込まれています。
まだ時間があるように思えますが、特に「永住許可申請」を検討されている方は、以下の点を意識してみてください。
「長期の在留期間」を目指す:更新のたびに数万円かかるようになると、1年更新を繰り返すよりも、3年や5年の許可を得るメリットが非常に大きくなります。日頃から税金・年金の支払いや届出をしっかり行い、長期の許可をもらえる準備を整えておきましょう。
要件を満たしているなら早めの申請を:もし現時点で永住の要件(居住歴や年収など)をクリアしているのであれば、値上げが実施される前に申請を済ませるのが、経済的な負担を抑える一番の方法です。

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